二重から一重になったら危険?目瞼下垂の症状と原因

眼瞼下垂

年齢とともに目立ってくるシワ、本当に嫌ですね。

年齢によるシワは、皮下のコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンといった美容成分の減少や、紫外線による活性酸素の発生によって起こります。

そしてもうひとつ、眼の周りの組織や筋肉の衰えが美容や健康に害を及ぼすこともあり、

そのひとつに目瞼下垂という症状が挙げられます。

では、目瞼下垂とはどのような症状なのでしょうか?

今回は、目瞼下垂の症状と原因についてご紹介します。

PR

目瞼下垂ってどんな症状?原因は?

目瞼下垂とは、上瞼の皮膚にたるみが生じて目の上に覆いかぶさってくる病気です。

私たちは日ごろ、無意識のうちにまばたきをしていますが、

これは、眼瞼挙筋という筋肉の働きによるもので、この筋肉の働きが弱くなると

瞼の開閉が不自由になるだけではなく、上瞼にたるみが生じて目瞼下垂を引き起こすこともあります。

その典型的な症状は以下の通りです。

  • 瞼が重い、眼が疲れやすい
  • 目元が疲れた様な感じに見える
  • 目の開きが悪い
  • 左右の目の大きさが違ってきた
  • 二重のラインの幅が広くなってきた
  • 上瞼にくぼみが深くなった
  • 眉の上にシワができた

これらの症状が現れたからといって、すぐにそれを目瞼下垂だと決めつける必要はありません。

ですが、これらの症状とともに瞼に塞がれてものが見えにくいなどの自覚症状が現れたのであれば、

初期の目瞼下垂である可能性が否めないでしょう。

 

では、目瞼下垂はなにが原因で起こるのでしょうか?

目瞼下垂は先天性と後天性に分類されています。

眼瞼下垂の原因

先天性目瞼下垂

生まれつき目瞼検挙筋が弱いことが原因で起こります。

先天性目瞼下垂は、片目のみに起こることがありますが、両目に起こることもあり、さらにレベルも何段階かに分類されています。

先天性目瞼下垂は出生直後から症状が現れますが、瞼がまったく開かないなどの重篤な症状以外は手術を行わず、2歳まで様子を見て、その後に手術となることが多いようです。

後天性目瞼下垂

後天性目瞼下垂は以下の種類に分類され、それぞれに原因が異なります。

1.腱膜性(けんまくせい)目瞼下垂

加齢によって拳筋腱膜が弱って薄くなったり、コンタクトレンズによる疲れ目やアレルギーなどによって目を擦ったりすることが原因となって起こります。

また、加齢によってこの目瞼下垂を発症すると、目瞼皮膚弛緩症(上瞼のたるみ)を併発することが多いと考えられています。

2.外傷性目瞼下垂

怪我によって拳筋腱膜眼瞼挙筋が傷つくことが原因となって起こります。

3.重症筋無力症

神経麻痺によって拳筋機能が機能しないことが原因となって起こります。また、パセドウ眼病症によって眼の周囲の筋肉に炎症が起こって、目瞼下垂を発症することもあります。

4.手術の後遺症

緑内障や白内障の手術が原因となって、目瞼下垂が起こることがあります。

 

このように、目瞼下垂の原因はさまざまですので、目瞼下垂の疑いがあると感じたのであれば、

まずは眼科医に相談してそれが目瞼下垂かどうか診断を受けてみると良いでしょう。

目瞼下垂の治療

眼瞼下垂なか?と思ったら、まずは眼科医に相談してみて下さい。

後でご紹介しますが、現在の症状が真性の目瞼下垂であることもあれば、偽性目瞼下垂の可能性もあります。

この部分については素人が判断することができませんので、必ず専門医による診断を受けて、適切な処置を受けて下さい。

目瞼下垂治療には、以下の種類があります。

眼瞼挙筋腱膜前転術

上瞼を切開して、目瞼拳筋を引き出し、眼窩隔膜(がんかかくまく)とミュラー筋という部分から剥離したのちに余分な部分を切除、瞼板という軟骨部分に固定させる方法です。

この手術は筋肉(眼瞼挙筋)を短くする方法ですので、筋力が弱い方であっても手術後には目をぱっ

ちりと開くことができるようになるというメリットがあります。

前頭筋吊り上げ術

目瞼拳筋が機能を失ったときに適用される手術です。

この手術は、加齢によって自然に下がった瞼による目瞼下垂の際に適用されることが多い手術で、上瞼を切開して眉毛を上下させる前頭筋をつなぐことにより、瞼を引き上げる方法です。

この手術は、先天性目瞼下垂や重症筋無力症など、比較的重症度が高い目瞼下垂に対して行われることが多いようです。

眼瞼挙筋短縮術

眼瞼腱膜をミュラー筋から剥がし、瞼板に固定させる方法です。

この手術は、眼瞼挙筋腱膜前転術では対応できないと医師が判断したときに行われることが多く、比較的重症度が高い目瞼下垂に対して行われています。

二重瞼形成術

筋肉に問題が生じていない偽性目瞼下垂の場合では、特に治療を受ける必要がないという考え方もあります。

ですが、ご自身でどうしても気になるというのであれば、眼科ではなく美容外科クリニックに相談し、切開法の二重瞼形成術を受けてみるという方法があります。

ただし、この手術は美容整形手術に分類されますので、美容整形手術に対する抵抗がある方には、あまりおすすめすることができません。

切らない治療

皮膚を切開することなく、特殊な糸を埋め込むだけの簡単な方法です。

この治療は目瞼挙筋を糸で固定する方法であるため、他の治療よりも術後の瞼の腫れが少ないというメリットがありますが、

経年によって徐々に元の状態に戻る可能性があるというデメリットもあります。

目瞼下垂治療は保険適用なの?

目瞼下垂の治療についてざっとご紹介しましたが、いずれの治療を選択するにせよ、気になるのが保険適用なのか否かという問題なのではないでしょうか。

まず、美容外科クリニックで取り扱いがある二重形成術の場合では、美容整形手術に分類されますので、保険適用外の自費診療となります。

その他の治療に関しては眼科で受けることができ、ほぼ保険適用となるでしょう。

ただし、美容外科クリニックで眼科と同様の治療を受ける場合では、美容の観点からも細心の注意を払って治療が行われるため、一部保険適用外または保険適用外となることがあります。

費用の部分については眼科や美容外科クリニックの規定によって異なりますので、

美容面を重視しないのであれば眼科、目瞼下垂の改善とともに美容面も重視するのであれば美容外科クリニックというくくりで、治療を検討してみてはいかがでしょうか。

眼瞼下垂とよく似た紛らわしい症状

目瞼下垂とよく似た症状に、偽性目瞼下垂があります。

この症状は、加齢によって眉毛が自然に下がり、それによって上瞼にたるみが生じますが、眼の周囲の組織や筋肉に異常が見られることはありません。

また、目瞼けいれんが起こると、その周囲の筋肉が緊張して一時的に目を開きにくくなりますが、

これは時間の経過とともに自然に症状が改善されることかほとんどですので、あまり神経質に考える必要はないでしょう。

目瞼けいれんは、おもにストレスや身体的疲労、眼精疲労などによって起こると考えられていますので、まずは心身を休めて様子を見ると良いでしょう。

特殊な例としては、睡眠導入剤や抗不安薬などの服用によって目瞼けいれんが起こることもあります。

これは、投薬の影響を受けて脳の視床という部分が刺激されることが原因となって起こり、薬の投与が長期化するほど起こりやすいと考えられています。

そして、この状態を気にし過ぎてしまうと、さらに大きなストレスを抱え込むことになる可能性が広がり、投薬と目瞼けいれんのいたちごっこ状態になることも考えられます。

投薬によって目瞼けいれんが起こっている可能性があるのなら、薬の処方を受けている病院に相談し、薬の種類を変えてもらうなどの対策を講じる必要があります。