眼瞼下垂の症状がはっきりと現れたら、残念ながら、病院で専門的な治療を受けるしか完治の方法が残されていません。
病院で眼瞼下垂を治療する場合、その方法はすべて手術になりますが、手術方法は数種類に分類され、症状や患者さんご本人の希望に応じた方法で行われます。
今回は目瞼下垂の手術の種類をご紹介しますが、手術後のダウンタイムや経過などの詳細についてもあわせてご紹介していきます。
眼瞼下垂は病院の治療で治ります・手術の種類を紹介!
拳筋前転法
上瞼には眼瞼拳筋という筋肉が存在し、この筋肉が瞼板という部分に固定されることによって瞼を自由に開閉することができます。
ところが、なんらかの理由によって眼瞼拳筋と、瞼板の固定部分にある拳瞼腱膜という部分が緩んでしまうと、
眼瞼拳筋と瞼が剥がれ、眼瞼下垂が起こります。
拳筋前転法は、上瞼を切開して眼瞼拳筋と瞼板を再固定するための手術です。
挙筋前転法が向いている人
瞼が開きにくい、上瞼がたるんでいる、肩コリや頭痛がひどいという方に向いています。
手術後のダウンタイムとその後の経過
手術後3日前後で抜糸、1~2週間のダウンタイムあり。
その後は自然に腫れが引きますが、このときに左右の目の大きさが異なるなどの異常が現れた場合では再手術となる場合があります。
手術後10日間前後はメイク禁止、シャワーは翌日からOKです。
埋没眼瞼下垂術
瞼を切開せず、上瞼の裏側から眼瞼拳筋と瞼板を糸で留める方法です。
この治療は、美容整形手術に分類される二重瞼形成術と同様の原理で行われ、
メスを使用しないというメリットはあるものの、時間の経過とともに糸が緩むと元の状態に戻る可能性があるというデメリットもあります。
また、二重瞼形成術を目的としては行われないため、仕上がりが不自然になる可能性も考えられます。
さらに、保険適用外となる可能性があるますので、この方法による眼瞼下垂治療をお考えの方は、
デメリットの部分にもしっかりと眼を向けた上で治療を検討してみると良いでしょう。
埋没眼瞼下垂術が向いてる人
完治ではなく、とりあえず眼瞼下垂を改善しておきたいという方に向いています。
手術後のダウンタイムとその後の経過
抜糸は行いませんが、1~2週間程度のダウンタイムが必要です。
早い方では術後数週間で元の状態に戻る可能性かぜありますので、
この部分については、病院でのカウンセリング時に確認してみると良いでしょう。
シャワーは当日、お風呂は翌日からOKです。
筋膜移植法
重症筋無力症と診断された場合に行われる治療で、二重瞼のラインを決めて切開し、瞼拳筋腱膜を瞼板に固定する、
または、太ももなどから採取した筋膜を前頭筋部分と瞼板に移植して固定するという方法で行われます。
他の治療では眼瞼下垂の改善が難しいと医師が判断した方に向いています。
手術後のダウンタイムとその後の経過
手術後5~7日目に抜糸、2週間前後のダウンタイムがあります。
腫れにより一時的な左右差が生じることがあり、瞼を閉じにくい、ドライアイなどの症状が現れることがあります。
シャワーは翌日からOKです。
上眼瞼切開法
上瞼を切開し、切開部分から脂肪や瞼板前組織、余分な皮膚などを切除して、皮膚と瞼板を固定、皮膚を縫合する治療です。
この治療では上瞼のたるみ部分の皮膚を取り除くことができるため、若返り効果も見込むことができます。
上瞼のたるみによって眼瞼下垂が起こっている、若返り効果を希望している、二重瞼形成を希望しているという方に向いています。
手術後のダウンタイムとその後の経過
手術後5日~1週間程度で抜糸、1~2週間のダウンタイムがあります。
シャワーは翌日からOKです。
拳筋短縮法(タッキング)
眼瞼拳筋を切除することによって短縮する治療です。
この治療は、上瞼の費用面の皮膚を切開する方法と内側から切開する方法があり、以前はポピュラーとされていた方法ではありますが、
瞼のたるみ改善効果化が弱いことから、現在ではあまり行われていないようです。
内側から切開する方法の場合では、外側から埋没法や切開法で二重瞼を形成する必要がありますので、2度の手術を受ける必要があります。
眼の開きが悪い、若返り効果を希望するという方に向いています。
手術後のダウンタイムとその後の経過
手術後5日~1週間程度で抜糸、1~2週間程度のダウンタイムがあります。
眉毛下切開法
上眼瞼切開法では上瞼を切開しますが、この治療では眉毛のすぐ下の皮膚を切開しますので、傷口が目立ちにくいというメリットがあります。
上瞼のたるみで眼瞼下垂が起こっている方や、目元の若返りを希望している方に向いています。
手術後のダウンタイムとその後の経過
手術後約1週間で抜糸、2~3週間程度のダウンタイムがあります。
翌日からシャワーはOK、お風呂は翌日からOKとなります。
以上、病院で受けることができる眼瞼下垂治療について紹介してきましたが、それぞれ抜糸の時期やダウンタイムなど違いがあります。
いずれの方法で治療を受けるにせよ、手術後にある程度身体を安静にすることができる期間を必要としますので、
まずは余裕のある日数を確保した上で、カウンセリングや手術のスケジュール計画を立てることをおすすめします。
目瞼下垂治療を受ける前に知っておきたいこと
そして、病院で眼瞼下垂治療を受ける際には、必ず事前に病院の情報を調べ、できる限り名医を探した上で治療を受けましょう。
メスを使用しない治療であれば自然に元の状態に戻ると考えられますが、
メスで皮膚を切開したり、腱膜や筋肉、皮膚に手を加えたりするとなると、熟練した腕の良い医師に任せる必要があります。
たとえば、経験値が浅い医師が手術を担当した場合では、腱膜や筋肉に傷をつけてしまったり、切除する長さが短すぎたり長すぎたりして失敗する可能性が考えられます。
さらに、皮膚の切開部分が多すぎた場合では、皮膚を縫い合わせた際に皮膚が引きつれて”ビックリ目”になってしまう可能性もないわけではありません。
目は顔の中でも目立つパーツですので、目瞼下垂治療を病院で受けるのであれば、
その病院の情報をしっかりと調べるとともに、口コミにも目を通し、優良な病院を見つけておきましょう。
まずはカウンセリングを受けてみましょう
目瞼下垂治療を受ける際には、事前にカウンセリングが行われることがほとんどで、当日手術または数日後に手術というパターンがあります。
ここで注意して頂きたいのは、カウンセリング時に手術内容や仕上がりについての説明が不十分、リスクについての説明がない、強引に当日手術を勧めてくる病院には注意する必要があるということです。
これらに該当する病院は、いわゆる儲け主義、利潤追求を第一としていることが考えられ、安易に手術を任せてしまわないほうが良いと考えられます。
反対に、治療内容やリスクの説明が丁寧で、費用も明確に示し、なおかつ当日の手術を強引に勧めることがない病院であれば、悪徳病院ではないと考えられますので、
ひとまず安心して手術を任せることができると判断することができます。
病院選びは仕上がりの明暗を分けますので、病院での目瞼治療をお考えの方は、まずは優良な病院を見つけ出すところから始めてみてはいかがでしょうか。